MENU
おすすめの記事はこちら

2016-03-18から1日間の記事一覧

二日目 大分-広島

二日目の朝が来た。日が東から昇り樹木や草や葉が朝日の光を受けてみずみずしく輝いていた。公園は昨夜から一晩で生き返ったようにその活力を取り戻し、薄い朝の膜のようなものが辺りを覆っていた。新しい一日が始まり、たくさんの営みが今日もスタートする…

二日目 大分-広島

僕はポケットからiPodを出し、Mr.Childrenの(an imitation)blood orangeを聴いた。そのアルバムは全部で十一曲収録されており五十九分で曲が一周する。(1)hyponosisから始まり(11)祈り~涙の軌道で…

二日目 大分-広島

もうすぐ大分をぬけそうだ。福岡のナンバープレートがあたりを埋めはじめたころ、あたりは昼に近づいていた。太陽は燦々と照り付け、冬にもかかわらず上着がいらないほどの気温だった。風は冷たいがあたたかい太陽の陽ざしが道行く人を活気づけていた。忙し…

二日目 大分-広島

福岡をぬけた。関門トンネルを抜けて山口へ到達したのだ。降り立った地は下関で、そこには有無を言わせない見事に立派な橋が建っていた。関門橋だ。僕は山口側からその橋と関門海峡が同時に見える風景を眺めていた。海風が心地よく鳥が気持ちよさそうに飛ん…

二日目 大分-広島

防府市のあたりにさしかかったとき日は傾きかけていた。このままここに泊まろうかと考えたが「せっかくここまできたんだ。広島までいこう」と決意して僕は走り続けた。しかし、このとき僕の頭に何かがよぎった。嫌な予感がした。何か黒くてもやもやとしたも…

二日目 大分-広島

僕は転倒した。不安になりすぎて沿道にある砂が散らばっている場所で休憩をとろうとTODAYを寄せたのだが、絶望的な体のバランスと目の前のぐらぐらとする揺れも手伝って、僕はまっすぐ止まることが出来なかったのだ。服の破れは一番下のヒートテックに…

二日目 大分-広島

僕の意識のふちを蹴ってきたのはクラクションの音だった。渋滞している。僕はどうしていたのだろう?頭に手があったことを思うとふさぎ込んでいたのかもしれない。どれくらい時間が経過したか分からない。はっきりとしていることは、渋滞していることと、絶…